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未来の金融をデザインする

主に経済や金融に関する記事や開催した読書会や勉強会の報告を書いております。

FED活動1周年記念「学びを通して世界を変える」

FED事務局長の村上です。さて、本日でFEDが誕生してから丸一年経ちました。これまで勉強会に参加してくださった皆様、また応援してくださった皆様、ありがとうございました。そして、これからも宜しくお願いいたします。

FEDは今からちょうど一年前に、マンキュー経済学勉強会と金融経済読書会が統合し、「未来の金融をデザインする」というミッションの下、読書会やセミナーの活動を開始いたしました。活動をする中で、新たにコーポレートファイナンス勉強会、金融デザインセミナー、金融経済読書会light、金融経済読書会classic、経済英語ディスカッション、他団体との合同勉強会、FED後援セミナー等、様々な活動を行ってまいりました。ここで、2011年2月20日から2012年2月19日までの1年間の活動を振り返ってみたい思います。

主な活動は以下の通りです。

  • マンキュー経済学勉強会 11回
  • コーポレートファイナンス勉強会 13回
  • 金融デザインセミナー 3回
  • Valuation(企業価値評価)勉強会 1回
  • 金融経済読書会 10回
  • 金融経済読書会light 4回
  • 経済英語ディスカッション 3回
  • 他団体との合同開催セミナー/勉強会 5回
  • FED後援勉強会 2回

合計52回、平均して週に約1回は勉強会を行っている計算です。これだけ活動をしていると、よく聞かれる質問があります。それは「何のためにやっているのですか?」というものです。

繰り返しになりますが、FEDのミッションは「未来の金融をデザインする」ですが、1年間FEDで活動する中で、「未来の金融をデザインする」ことに加え、新たなモチベーションも生まれてきました。それは「学びを通して世界を変える」ということです。

私は勉強会を通して、私自身が知識を身につけるだけでは、正直後ろめたい気持ちがあります。なぜならば、知識を身につけて満足するだけでは、ただ単に高等知識の消費者なだけだと感じるからです。このことについては、以前ブログで書きましたので、詳細はこちらをご確認願います。

知識は経済学でいうところの公共財なので、いくら使っても知識自体が減ることはありません。しかし、知識を消費するだけでは、知識は新たに世の中に蓄積されません。我々は過去の偉大な先人が積み重ねてくれた知識から多大な恩恵を受けています。今度は我々が知識の生産者となって後世にとって住みやすい世の中にする必要があるのではないでしょうか。すなわち、勉強をしただけの知識の消費者だけでなく、知識の生産者になることが重要だと思うのです。

では、どうすれば知識の生産者になることが出来るのでしょうか。例えば経済学者は論文を書くことで知識の生産者として経済学の発展に貢献しています。しかしながら、論文を書くには高度な専門知識が必要ですし、FEDの活動でこのようなアプローチで知識に貢献するのことは正直難しいと思います。そこで、FEDでは、FEDのキーワードである「教育(Education)」と「制度(Design)」、そして実務者らしく、知識の実践を通して、知識の生産者を目指したいと考えております。

具体的には次の通りです。教育については、現在は勉強会という学びの「場」を提供する活動をしています。そして、勉強会から気付きを得られることで、参加者の皆様が何かを行動に移す。さらに、そのことをきっかけに、世の中をよりよい方向へ変えていく。すなわち「学びを通して世界を変える」です。

さらにFEDでは、もうひとつのアプローチを考えています。それが「寄付」の仕組みです。FEDの勉強会は参加料として、500円をいただいています。多くの場合、部屋代やコピー代を使っても、いくらかは余剰が出ます。その余った資金は、現在まとめてNPOに寄付しています。去年1年間では総額5万円近く寄付をしました。そう、この仕組みがもう一つの「学びを通して世界を変える」なのです。

NPOは、政府でもビジネスでも解決できない諸問題に取り組んでいます。しかしながら、NPOは多くの場合、資金難に苦しんでいます。FEDでは、勉強会の活動を通して、余った資金をNPOに寄付することで、学びをその場で終わらせるだけでなく、社会貢献につなげる仕組みにしようと考えています。これがFEDの考える「学びを通して世界を変える」デザイン(仕組み)です。

経済学には消費者余剰という考えがあります。例えば今流行のタブレットがとても欲しい人がいるとします。その人は、5万円出してもタブレットを買いたい。でも、(競争)市場があることで、タブレットが3万円で手に入るとします。すると、5万円出しても買いたかったにもかかわらず、3万円で手にはいる。5万と3万の差額2万円が消費者余剰です。同様に生産者側では、生産者余剰(いわゆる利益) が発生します。この消費者余剰と生産者余剰を最大にするような価格設定(多くの場合は市場価格)が、厚生経済学的には望ましいと考えられています。

FEDでは、勉強会1回500円としていますが、勉強会の質を上げることで、例えば参加者は1,000円払ってもいいと考えるかもしれません。すなわち1,000−500=500がその人にとってのプラスの効用となります。その500円分の余剰に関しては、世の中への新たな付加価値でありますし、その価値を、チャリティー勉強会のように実際に寄付という形でNPOに寄付してもらうことも出来ます(面倒ならFEDが代行します)。

つまり、FEDの活動を通して、参加者の学びに貢献するとともに、勉強会の余剰資金をNPOに寄付することで、NPOの活動が社会に貢献する。これがFEDが考える「学びを通して世の中を変える」です。

「未来の金融をデザインする」といったミッションのもと、この1年間活動をしてきましたが、大きな反省としては実際にはほとんど未来の金融をデザインするようなアイディアが浮かんでこなかったということがあります。しかし、1年間勉強会を実施し、余った資金を寄付することで、そして、この1年間の活動を振り返ることで、新たな未来の金融のあり方が見えてきました。すなわち「寄付」です。

別の視点では、「未来の金融をデザインする」と「学びを通して世界を変える」を結びつけるもの、それが「寄付」となります。今年の1年間は「寄付」という言葉を一つのテーマに活動をしていきます。また、FEDの勉強会の最後にNPOを紹介する時間を5分〜10分設け、FEDで集まった資金をどのようなNPOに寄付するかも皆様と共有していきます。

FEDでは、勉強会をする新たな意義として「学びを通して世界を変える」を掲げると共に、寄付を通して「未来の金融をデザインする」ことを実践して行きたいと思います。