未来の金融をデザインする

主に経済や金融に関する記事や開催した読書会や勉強会の報告を書いております。

「名もなき家事」読書会_2019年10月5日(土)

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10月5日(月)に、日比谷ミッドタウンで、「やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。」の著者である梅田悟司さんと「「逃げ恥」にみる結婚の経済学」の著者でありミクロエコノミストの是枝俊悟さんをお招きし、「名もなき家事」の読書会を実施しました。

当日は、日比谷ミッドタウンから場所の提供を受ける、著者、ゲストの出演そして編集者のご参加にしていただく、NHKの朝イチ*1やその他メディアの取材が入る、1週間前の案内の中土曜の9時から参加してくださった参加者等、多くの方のサポートに支えられ、読書会を実現することができました。加えて、グラレコで当日の様子をまとめていただきました。
 
当日は①「名もなき家事」を読んだ感想をシェアする読書会、②梅田さんと是枝さんそれぞれのプレゼンとお二人でのクロストーク、③梅田さんと一緒に名もなき家事を命名するワークショップという構成としました。
 
以下、当日の内容の簡単なレビューを記載します。
まず「①読書会」では参加者から以下のようなコメントを頂戴しました。
  • 本書を読んで、家事をすることが褒められたようで嬉しく感じた。
  • 家事には、やれば終わる作業的な家事と、考える家事というものがあるのがわかった。例えば、遠足の準備やお弁当等をどうするかといった考える家事は数日かかる場合もある。
  • 家事に男性の目線が入って新しいやり方を提案してもらえそう。
  • 男性の方は家事を手伝う場合、手を動かす家事を頑張っている傾向にあると思うが、女性は意思決定を伴う考える家事を多く抱えていると思う。例えば、食事の栄養をどうするかや1ヶ月後の家族の行事等の考える家事を常にやっている。
今回は初めての参加者も多かったですが、参加者みんなで和気藹々と楽しんでいただけました。

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次に、「②梅田さんと是枝さんそれぞれのプレゼンとお二人でのクロストーク」では、梅田さんは本書の作成に至った経緯を、是枝さんは家事を定量的に分析したマクロ的な視点をお話ししてくださいました。
 
その後、お二人でのクロストークへと発展したのですが、特に盛り上がったのが、以下の「仕事の裁量」と「仕事の要求度」の2軸からマトリックスの分析です。仕事ができる人というのは、仕事の要求度が高いものの、裁量もあるので、仕事を柔軟にやりがいをもって対応をすることが多いと言えます。他方、育児の場合、仕事の要求度が高い一方、裁量が少ないため、仕事ができる人でもストレスを感じやすくります。梅田さんがツイッターで「仕事の方が楽」といったのは、育児というのは裁量が少ないためだったからではないかというのが是枝さんの考察でした。このことについて、梅田さんも参加者もなるほどと膝を打っていました。

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最後の「③梅田さんと一緒に名もなき家事を命名するワークショップ」では、参加者から1人1個のまだ名前がついていない家事を提案してもらい、その中から3つを選んで梅田さんともに、名もなき家事の命名を実施しました。命名した家事はそれぞれ以下です。
・お土産を買ってきて家族にかなされたことを聞く家事
→お土産酷評会、お土産裁判、お土産格付
・学校のおたよりに「図工で使うマヨネーズの空き容器を用意せよ」と書かれてるのを前日の夜に見てマヨネーズの残りを確認しプレッシャーを感じる家事
→ポテトサラダの誘惑、使い切りノルマ、夜中ブリブリ
・郵便物の住所と名前の部分を切り取ってから捨てる家事
→手のひらシュレッダー、宛名シールコレクション、自意識の暴走
 
盛りだくさんとなった今回の3時間にもわたる読書会では、参加者からは以下の嬉しい声を頂戴しました。
  • 面白かった。名付けたのしい。ロジカルに分析するのたのしい。
  • 自分が余りコミットしない世界の見方が広がった。仕事以外も戦略的であるべきだと再認識した。
  • 梅田さんの考え方が素敵でした。本を読んだだけでは分からなかった執筆の背景を伺えてとてもよかったです。
  • 家事の見える化、経済的な視点で複合的に学べました
  • 普段会わない、会話しない参加者とディスカッションできたこと、気づきを得たことは非常に良かったです
  • 一番刺さった言葉は"考える家事"という観点。"手を動かす家事"は半分はやっているという自負があるが、イベント対応や健康維持など考える部分はかなりおまかせっきりにというのに気づけたのは良かった
  • 男女で対立しがちな話題を笑いありの楽しい雰囲気で話をできました。課題本がそういう雰囲気を醸し出していたのだろうと思いました。
  • ただの読書会にとどまらず、是枝さんのエコノミスト視点で切り込まれていたのがFEDらしさでもあり、梅田さんの良さをより際立てた感じがしました!!
以上となります。読書会は音楽でいうライブのような場だと思っているのですが、今回はグラレコで表現されているようにまさに参加者全員で作り上げた場となりました。 
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 最後となりましたが、参加者の皆様、ありがとうございました。

*1:当日の放送内容はこちらのtogetterにまとめられています。