未来の金融をデザインする

主に経済や金融に関する記事や開催した読書会や勉強会の報告を書いております。

FEDで振り返る2022年

最近年末にしかブログをかけていませんが、毎年恒例になっているFEDの取り組みを通じて2022年を振り返ります。全体で振り返ると全部で28回の以下の読書会を開催しました。たまたまですが、2021年と同じ回数となりました。 世界標準の経営理論 12回 新版 企業…

FEDで振り返る2021年

2021年も早いものでもうすぐ終わろうとしています。毎年恒例になっていますが、FEDと取り組みを通じて2021年を振り返ります。全体で振り返ると全部で28回の以下の読書会を開催しました。 世界標準の経営理論 21回 ワイズカンパニー 知識創造から知識実戦への…

FEDで振り返る2020年

もうすぐ2020年も終わろうとしています。今年は新型ウイルスの影響で人々の生活は一変しました。読書会や勉強会を開催しているFEDも同様で、今年はオフラインで開催できた会は1月のわずか1回でした。しかしながらオンラインでの読書会を開催したことで、合計…

FEDで振り返る2019年

2019年もまもなく終わりますが、今年も例のようにFEDで振り返る2019年の投稿をします。2019年は合計24回の勉強会もしくは読書会を開催しました。月2回のペースとなりましたが、今年の特徴としては他団体とのコラボイベントが多かったものと思います。以下、…

「名もなき家事」読書会_2019年10月5日(土)

10月5日(月)に、日比谷ミッドタウンで、「やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。」の著者である梅田悟司さんと「「逃げ恥」にみる結婚の経済学」の著者でありミクロエコノミストの是枝俊悟さんをお招きし、「名もな…

「ニュータイプの時代」読書会兼アート鑑賞会_2019年9月28日(土)

2019年9月28日に、はたらける美術館とともに山口周さん著の「ニュータイプの時代」についての読書会兼アート鑑賞会を実施しました。 ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式 作者: 山口周 出版社/メーカー: ダイヤモンド社 発売日: 2019/07/…

不確実な時代をどう生きるか

「経済には景気循環というものが存在するはずなのに、バブル崩壊後の日本はなぜこれほどまでに不景気が続くのだろうか」大学(2000-4年)の時に自ら発したこの素朴な問いこそが、筆者が経済学に興味を持つきっかけとなりました。90年代後半において、国内で…

マンキューの経済学10大原理とは何か

前回は経済政策に関する6つの論争について記載しましたが、本日はマンキュー経済学で説明されている経済学10大原理についてご紹介いたします。経済学の入門書としては、マンキューが書いたもの以外にも、古いところで言えば、サミュエルソンから始まり、…

マクロ経済政策に関する6つの論争

FEDは2009年11月から開始したマンキュー経済学読書会をきっかけとして発足しました。早いもので10年も経つので、過去に取り組んできた取り組みを今後少しづつご紹介していきます。 マンキュー経済学は全36章から構成されていて、月1で1章づつ読んでいくと3…

FEDで振り返る2018年

2018年も残るところわずかとなりました。今年も多くの方にFEDにご参加いただきました。ありがとうございます。2018年は合計26回の勉強会/読書会を開催し、過去3年の中では最も多く開催しました。その理由の一つとしては、FED事務局長が長年勤めた銀行を退職…

「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明_読書会_2018年9月29日(土)

2018年9月29日(土)9時から「イノベーターのジレンマの経済学的解明」の読書会を行いました。「イノベーターのジレンマの経済学的解明」の勉強会自体は、9月2日に著者である伊神先生をお招きして、実施しましたが、今回は、参加者のみで本書をじっくり語り…

「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明_著者登壇読書会_2018年9月2日(日)

9/2(土)にイェール大学准教授の伊神満先生をお招きした「イノベーターのジレンマの経済学的解明」(以下、本書)の読書会を開催しました。 「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明 作者: 伊神満 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2018/05/24 メディア: 単…

社会的投資がなぜ今日本で求められているのか

社会的投資とは何か社会的投資という言葉を聞いたことはありますでしょうか。社会的投資といった場合、狭義には、投資がもたらす社会的・環境的効果までも考慮に入れて投資を行う「社会的責任投資」や「ESG(Environment, Social and Governance)投資」、ま…

第2回人事と組織の経済学勉強会_開催報告_2018年4月28日(土)

4月28日(土)に開催した第2回人事と組織の経済学勉強会の当日のディスカッションについて記載します。議論のテーマとなった「3章能力への投資」と「4章離職の管理」については、以下のリンクをご確認願います。 fedjapan.hatenablog.jp 当日は3章の内容が非常…

人事と組織の経済学_第3章能力への投資及び第4章離職の管理

2018年4月28日(土)に第2回人事と組織の経済学勉強会を開催し、第3章能力への投資及び第4章離職の管理の2章の輪読を行いました。以下では、それぞれの章のまとめについて簡単に記載いたします。 人事と組織の経済学・実践編 作者: エドワード・P・ラジアー,…

「情報経済の鉄則」読書会_開催報告_2018年4月21日(土)

ネットビジネスが隆盛の現代において、ビジネスシーンで最も有名な経済学者といえば、グーグルのシニアエコノミストであるハル・ヴァリアンといっても過言ではないでしょう。このハル・ヴァリアンがカール・シャピロと共著で1999年に発売した「情報経済の鉄…

「創造性の宿し方_開催報告_3月24日(日)曳舟図書館

3月24日(日)に墨田区の曳舟図書館にて、法政大学専任講師の永山晋先生が「創造性の宿し方」というテーマでご講演を行い、FEDとしても一部協力させていただきました。https://www.facebook.com/events/1690593100984605/永山先生は、ハーバードビジネスレビ…

「不安な個人、立ちすくむ国家」読書会_開催報告_3月18日(日)金融経済読書会light

3月18日(日)9時から「不安な個人、立ちすくむ国家」(以下、「本書」)を課題図書とした金融経済読書会lightを開催いたしました。 不安な個人、立ちすくむ国家 作者: 経産省若手プロジェクト 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/11/30 メディア: 単行本…

お金2.0 新しい経済のルールと生き方

2018年3月4日(日)に「お金2.0」(以下、本書)を題材として、金融経済読書会lightを開催します。本書はアマゾンレビューの投稿は200件を超え、電車の中でも広告をよく見掛けるベストセラーです。 お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book) 作者:…

人事と組織の経済学_第2章適任者の採用まとめ

「人事と組織の経済学」の第2章は、「適任者の採用」といったテーマで、企業がどのように従業員を採用するのか、そして入社した後、どのような種類のキャリアを歩ませるのかを考察しています。 人事と組織の経済学・実践編 作者: エドワード・P・ラジアー,…

人事と組織の経済学_第1章採用基準の設定まとめ

2018年2月18日から開催する「人事と組織の経済学」勉強会。初回の輪読の範囲である第1章と第2章の概要について記載いたします。 人事と組織の経済学・実践編 作者: エドワード・P・ラジアー,マイケル・ギブス,樋口美雄,成松恭多,杉本卓哉,藤波由剛 出版社/…

人事と組織の経済学_導入

2018年2月18日から人事と組織の経済学の輪読を開始します。 人事と組織の経済学・実践編 作者: エドワード・P・ラジアー,マイケル・ギブス,樋口美雄,成松恭多,杉本卓哉,藤波由剛 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社 発売日: 2017/04/22 メディア: 単行本(…

「日銀と政治」読書会_開催報告_2018年2月4日(日)金融経済読書会

2月4日(日)に「日銀と政治 暗闘の20年史」の著者である鯨岡さんをお招きし、当該本の読書会を開催しました。 日銀と政治 暗闘の20年史 作者: 鯨岡仁 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2017/10/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見…

FEDで振り返る2017年

【FEDで振り返る2017年】 本年も残りわずかとなりました。今年も多くの方にFEDにご参加いただくことができました。ありがとうございます。2017年は合計20回の勉強会を開催しましたが、以下ではいくつか印象的な内容を振り返ります。 ①約2年をかけて法と経済…

「現金の呪い」読書会_開催報告_2017年5月20日(土)金融経済読書会

5月20日(土)にケネス・S・ロゴフ著の「現金の呪い」読書会を開催しました。著者のハーバード大学教授のロゴフは、「国家は破綻する」で財政赤字が多い国の経済成長率は低い傾向になることやこれまで歴史的に多くの国がデフォルトしたことを指摘したことで…

「原因と結果の経済学」読書会_開催報告_2017年4月30日(日)金融経済読書会

2017年のGWの真っ只中に「原因と結果の経済学」(以下、本書)の読書会を開催しました。本書は、著者の一人が「学力の経済学」の著者である中室先生であり、「教育の経済学」と同様に世間で誤認されがちな事象を因果推論の視点から解き明かす内容となっていま…

第1回クルーグマン国際経済学勉強会_開催報告_2017年4月2日(日)

4月2日に第1回クルーグマン国際経済学勉強会を開催いたしました。クルーグマン国際経済学に関する勉強会は2013年1月にも開催して10回ぐらい続けたのですが、途中から他の勉強会との兼ね合いで開催が3年程できておりませんでした。一方で、去年のBrexitやト…

一万円と二万円のどちらが欲しいですか

「1万円と2万円のどちらかをもらえる場合、どちらを選びますか」 このような質問をされた時、ほとんどの人が2万円を選択するものと思います。答えるまでもない質問でしょう。では、次の質問はどうでしょうか。「今すぐ1万円をもらえるのと5年後に2万円をもら…

なぜ優秀な人から先に会社を辞めるのか 後編

前回はラジアの賃金モデルを使って、若年層は生産性よりも低い賃金となる一方で高齢期には生産性よりも高い賃金がもらえるという年功序列の仕組みについて説明を行いました。今回はこの年功序列の仕組みが結果的には「優秀な人ほど先に会社を辞める」現象を…

なぜ優秀な人から先に会社を辞めるのか 前編

FED Academic ReviewFEDでは、今後、「FED Academic Review」(通称、FAR(ファー))と題して、経済学の論文をベースにしたコラム的なものを書いていきます。 第1回目となる今回のテーマは「なぜ優秀な人から先に会社を辞めるのか」です。優秀な人から先に辞め…