未来の金融をデザインする

主に経済や金融に関する記事や開催した読書会や勉強会の報告を書いております。

FEDで振り返る2017年

FEDで振り返る2017年】

本年も残りわずかとなりました。今年も多くの方にFEDにご参加いただくことができました。ありがとうございます。2017年は合計20回の勉強会を開催しましたが、以下ではいくつか印象的な内容を振り返ります。

 

①約2年をかけて法と経済学勉強会を終了

2016年1月から開催してきた法と経済学勉強会を今年の11月に無事終了することができました。最終回では、翻訳者の東大の田中亘先生をお招きし、「上場会社のパラドックス」といったテーマで講演をしていただきました。また、ガバナンスと観点では、「ガバナンス改革 先を行く経営 先を行く投資家」の著者の一人である槙野さんをお招きし、プレゼンをしていただきました。2017年は20数年振りの株高となり、その理由はいくつかあるとは思いますが、その理由の一つして伊藤レポート、スチュアードシップコード、コーポレートガバナンスコードをはじめとしたガバナンス改革もあげられるかと思います。この動きは2018年もFEDとしても引き続きフォローしていきます。

法と経済学

法と経済学

 
ガバナンス改革 先を行く経営 先を行く投資家

ガバナンス改革 先を行く経営 先を行く投資家

 

 

粉飾決算関連

2017年は東芝粉飾決算問題が大きく取り上げられましたが、その関連で、会見評論家の細野祐二さんを2度お招きし、それぞれの回で東芝粉飾決算と新著である「粉飾決算VS会計基準」についてご講演をしていただきました。最近は日系企業の不祥事もニュースも多く取り上げられていますが、そう言った文脈と照らし合わせても、「なぜ粉飾決算は起こるのか」といったことについて、専門家の細野さんが興味深いお話を伺うことができました。

粉飾決算vs会計基準

粉飾決算vs会計基準

  

 

国際経済学関連

2017年の最初の金融経済読書会は「移民の経済学」を取り上げました。また、移民問題に加え、TPP等の国際貿易の理解を深めるために、4年振りにクルーグマン国際経済学勉強会を再開しました。クルーグマン国際経済学勉強会はまだ3回しかできておりませんので、2018年も引き続き勉強会を続けていきます。

移民の経済学

移民の経済学

 
クルーグマン国際経済学 理論と政策 〔原書第10版〕上:貿易編

クルーグマン国際経済学 理論と政策 〔原書第10版〕上:貿易編

 

 

④2017年を代表する経済書

毎年年末になると多くの経済雑誌等で「エコノミストが選ぶ経済図書」といったランキングが発表されます。今年FEDで取り上げた本も、いくつか取り上げられていたので、ご紹介します。

  • 「原因と結果」の経済学(週刊ダイヤモンド「ベスト経済書」ランキング1位、日経新聞エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10第8位。4月に読書会を開催し、慶応大学大学院の博士課程の方をお招きし、プレゼンをしていただく。
「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

 
データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

  
  • 現金の呪い(日経新聞エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10第9位。5月に読書会を開催し、解説を書かれている一橋大学の齊藤誠先生をお招きし、ご講演をしていただく。)
現金の呪い――紙幣をいつ廃止するか?

現金の呪い――紙幣をいつ廃止するか?

  
  • 金利と経済(週刊ダイヤモンド「ベスト経済書」ランキング3位。9月に読書会を開催し、日銀の方をお招きし、金融政策についてプレゼンをしていただく。)
金利と経済―――高まるリスクと残された処方箋

金利と経済―――高まるリスクと残された処方箋

 
  • 金融に未来はあるか(日経新聞エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10第5位。9月に読書会を開催し、翻訳者の藪井さんをお招きし、グループディスカッションにご参加いただく。)
金融に未来はあるか―――ウォール街、シティが認めたくなかった意外な真実
  

また、上記以外にも、2017年度にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーの著者である「行動経済学の逆襲」も読書会の課題本として取り上げました。 

行動経済学の逆襲

行動経済学の逆襲

 

 

④2018年のFEDのフォーカス

2018年は労働市場に関連する勉強会に力を入れることを考えております。FEDの勉強会では何度かお話しさせていただいておりますが、マクロ経済市場は、財・サービス市場、金融市場、そして労働市場と3つの市場から成り立っています。そして、これらの市場は相互に影響をしています。そのため、未来の金融を考えるにあたって、労働市場の理解を深めることは非常に重要となります。

今年、法と経済学勉強会が終了したことで、次回の輪読の本は労働市場を組織の観点から分析している、ラジアの「人事と組織の経済学」を取り上げる予定です。補足ですが、「法と経済学」の輪読の前は、「組織の経済学」の輪読をやっており、その流れで「人事と組織の経済学」を課題図書として輪読を行うことにしました。

組織の経済学

組織の経済学

 
人事と組織の経済学・実践編

人事と組織の経済学・実践編

 

加えて、現在は政府主導の「働き方改革」が注目されていますが、経済書においても労働経済関連の本が注目されています。具体的には、日経新聞エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10第1位の「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」、同2位の「働き方の男女不平等」、そして同4位の「日本の人事を科学する」等です。FEDでも、2018年最初の勉強会は労働をテーマとしており、1月20日に慶応大学の山本勲先生をお招きし、「働き方改革:日本人の働き方と労働時間」というテーマでご講演をしていただく予定です。また、若手エコノミストもお招きし、パネルディスカッションも行う予定です。参考図書はございますが、課題図書はないので、お気軽にご参加いただけますと幸いです。

人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか

人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか

 
働き方の男女不平等 理論と実証分析

働き方の男女不平等 理論と実証分析

 
日本の人事を科学する 因果推論に基づくデータ活用

日本の人事を科学する 因果推論に基づくデータ活用

 

https://www.facebook.com/events/1594532210585701/

以上、FEDで振り返る2017年でした。来年もどうぞよろしくお願いいたします。