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主に経済や金融に関する記事や開催した読書会や勉強会の報告を書いております。

【開催報告】2013年9月1日(日)金融経済読書会「なぜ国家は衰退するのか」

2013年9月1日の金融経済読書会では、大ヒットドラマ半沢直樹の裏の時間帯で、ダロン アセモグル, ジェイムズ A ロビンソンによる「国家はなぜ衰退するのか」を課題本として読書会を開催致しました。詳細は下記の通りです。

  • 開催日:2013年9月1日(日)18時〜21時
  • 場所:文京シビックセンター 3階会議室
  • 参加人数:13人
  • 課題図書:国家はなぜ衰退するのか

国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源

国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源

国家はなぜ衰退するのか(下):権力・繁栄・貧困の起源

国家はなぜ衰退するのか(下):権力・繁栄・貧困の起源

アメリカとメキシコの国境、西ドイツと東ドイツ、韓国と北朝鮮のように、地域、文化的な背景、人種がほとんど一緒でも、国としてまったく異なる様相を呈する時があることを歴史は示しています。これまで経済学において、国家により経済成長のスピードが異なる理由として、資本蓄積、労働人口、天然資源、技術知識等を挙げてきました。そのため、貧困国への援助も必然的に上記と関連するようなことが行われてきました。しかしながら、これらに加え、本書の著者であるアセモグル等は国の経済成長には「制度」が重要であることを指摘しています。

今回の読書会では、inclusive(包括的、多様性)とexclusive(少数支配型、独裁型)といった普段あまり馴染みのない言葉をキーワードとして、様々な議論が繰り広げられました。今回の勉強会を通じて、参加者の皆様は一層、政治と制度のあり方の重要性を感じたのではないでしょうか。個人的にも、改めて歴史を一から勉強し直すきっかけを得ました。