未来の金融をデザインする

主に経済や金融に関する記事や開催した読書会や勉強会の報告を書いております。

2016年はファイナンス関連の本が豊作

今年は森生先生の10年ぶりの新著であったり、「道具としてのファイナンス」の問題集が発売されたりと、ファイナンス関連の本がたくさん発売されています。シチュワードシップコードやコーポレートガバナンスコード、伊藤レポートの影響もあるかと思いますが、金融の勉強会を主催している身としては嬉しく思います。以下、今年発売されたファイナンス関連の本をご紹介します。どれも比較的読みやすい本かと思います。

バリュエーションの教科書

バリュエーションの教科書

ファイナンスの哲学―――資本主義の本質的な理解のための10大概念

ファイナンスの哲学―――資本主義の本質的な理解のための10大概念

道具としてのファイナンス 問題集

道具としてのファイナンス 問題集

一生モノのファイナンス入門―――あなたの市場価値を高める必修知識

一生モノのファイナンス入門―――あなたの市場価値を高める必修知識

カール教授のビジネス集中講義 金融・ファイナンス

カール教授のビジネス集中講義 金融・ファイナンス

主観ですが、番号が進むにつれて内容はより読みやすく、また入門的な内容になっています。
①と②はFEDでも課題図書として読書会を開催したいと思っております。ご参考まで!

Kindle unlimitedで読める経済・金融関連の本

kindle unlimitedの対象になっている経済・金融関連の本をいくつかご紹介します。経済、投資関連では株やFX系の本が多いですが、探せば結構名著も出てきます。いい本が見つかった時は、古本屋で探していた本を見つけた時の気分に似ていますね。

ミクロ経済学の力

ミクロ経済学の力

東大の神取先生が書かれた名著。私が学生時代の頃は学部レベルのミクロ経済学を学ぶにあたっては武隈ミクロか西村ミクロが定番でしたが、今の定番はこの本か八田ミクロでしょう。この1冊だけでもunlimitedに入る価値があるかと思います。

ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務 (光文社新書)

ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務 (光文社新書)

「道具としてのファイナンスの」著書が書いているコーポレートファイナンスに入門書。これを読めばコーポレートファイナンスの基礎的な考え方を一通り知ることができます。企業の格付と株価ってどう違うのか等、実はあまりきちんと知られていないこともきっちりと抑えられています。

道具としてのファイナンス 問題集

道具としてのファイナンス 問題集

「道具としてのファイナンス」の著書が約10年ぶりに書いた新著が早くもunlimitedの対象になっています。先週この本を買ったばかりなのですが・・・(涙)

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

クリス・アンダーセンの名著フリーもunlimitedの対象になりました。2009年に発売された本書の重要なメッセージのひとつは、IT化が進む世界では、複製コストが限りなく小さくなることから、フリービジネスが展開しやすくなるということです。本書が発売された当初はmだスマホがそれほど普及していませんでしたが、その後、スマホが普及する中で「フリー、IT、プラットフォーム」という3種の神器がビジネスの中で猛威を振るうようになるのはご存知の通りかと思います。今読むとすでに古典のような内容にもなりますが、ないようないまだにはプレイスレスかとおもます。

インベスターZ(1)

インベスターZ(1)

ドラゴン桜の作者が投資を題材に描いた漫画。以前から気になってはいたのですが、kindle unlimitedに入っていたのを知り早速読みました。アマゾンの書評では「この本は投資の本ではなく、投機の本」と書かれていたので、あまり期待してはなかったのですが、思ったよりもまともま内容でした。プロスペクト理論機会費用、ファーストペンギン、ゴールドラッシュ時に金を掘る人になるのではなく、金を掘る人を対象にするビジネスを展開する話等、元ネタを知っている人はより楽しめまし、普通に勉強になります。アマゾン書評で書かれていた「投機」の定義はよくわかりませんが、本書では比較的短期で売り買いするシーンが多数描かれているので、それを持って投機としているのかとは思います。繰り返しとなりますが、書かれている内容は個人的にはまともだと思います。断言的な物言いが多いのはちょっと気になりますが、それぐらいでないとメッセージ性が弱くなるので、あえてそうしているのでしょう。

以上です。